平成時代、皇后陛下(皇太子妃)への週刊誌などのバッシングは、
目に余るものがあった。そんな状態の中でも、天皇・皇后両陛下の真実の
お姿を伝えようと努めたジャーナリストが、数は少なくても、
いなかった訳ではない。
例えば友納尚子氏。
雑誌で見掛ける同氏の記事には頭が下がった。
根気よく天皇・皇后両陛下の周辺の人物に取材を重ね、
確度の高い情報を提供してくれた。その著書『雅子妃 悲運と中傷の中で』
(文春文庫、単行本の刊行が平成18年、文庫化は同20年)から、
往時、「逆風」の中にお立ちになっていた頃の陛下(当時は皇太子)
のご様子を振り返っておこう。「これまで皇太子(天皇陛下)は、様々なことを急ぎすぎる
周囲に対して、ただひたすら毅然とした対応を講じてこられた。
皇太子の知人が感嘆をこめて話す。
『雅子妃(皇后陛下)のご回復への努力は、皇太子殿下の存在
によって支えられたところが非常に大きい。
東宮御所(とうぐうごしょ)という職員50人の大所帯をまとめ、
家族を思い、他の宮家にも気遣われておられるが、
愚痴ひとつおっしゃいません』
雅子妃が静養中の現在、皇太子お一人で公務に
出席されるばかりでなく、愛子さまの『こどもの城』への
送り迎えもできるだけ関わられている。
しかもそれに対する批判も承知されているという。皇太子の知人がつづける。
『マスコミには「皇太子は私生活を優先してばかりいる」
「ご結婚して変わられた」「公務の姿が見えない」など、
雅子妃と同様に、いえそれ以上の強い風当たりを受けて
おられます。
これではあまりにひどいではないですかと申し上げたところ、
殿下は「どんな批判も甘んじて受けなくてはならない。
こういうときこそ自分に何が必要で、何をすべきかという
意志を貫かなくてはなりません。
これからも目標をもって冷静に進んでいかなければ」
とおっしゃっていました』皇太子は、逆風のなかで、想像以上の重圧に耐えられている。
ご夫妻は、いわば『優等生』として讃えられてきた
これまでの人生になかったものーー、
すなわち苦悩のなかでしか得られないものもあると、
前向きにこの経験を受け止めておられるご様子だという」…「こういうときこそ自分に何が必要で、
何をすべきという意志を貫かなくてはなりません」。
陛下が逆風の中でも、こうした揺るがぬご態度を貫いて下さった。
だからこそ、平成から令和への、本当に晴れやかな御代替わりを
迎えることが出来た。その有り難さを改めて感じる。
我々は素晴らしい天皇陛下を戴いている。
それに対して、国民の側はどうか。【高森明勅公式サイト】
https://www.a-takamori.com/
BLOGブログ
前の記事へ有識者会議「前提」ある?無い?